お腹の使いかた

声を出す時、お腹はへっこむの?膨らんだまま?という質問を受けます。
正しくは両方です。つまりお腹を膨らませたまま、へこませてくるのです。
 もう少し具体的に言うと、せっかく腹式呼吸で膨らんだお腹なのに、すぐにへこませて
しまうと、息が全部抜けてしまい弱々しい声になってしまいます。
 逆に、お腹を膨らませ続けた状態で息が無くなった時、次に吸うことができません。あくまでもお腹がへこむから次に吸うことができるのです。
 ですので発声練習の際は、膨らんだ状態(腹式呼吸でお腹が膨らませられることが前提)
から一気にへこますのではなく、膨らんだ状態を我慢しながら、息が漏れないように大事に大事に吐いていくことが大事です。そして最終的にはお腹がぺったんこになるまで吐ききりましょう。
 よく学校の先生が「大きな声を出すために腹筋使っって❗️」と言いますが、それは
間違いではありませんが正しくもありません。あくまで声を出すための腹筋とは、
息を漏れすぎないようにする力、つまり膨らんだお腹を我慢する力なのです。
 かといって膨らんだ状態のままでは息継ぎができません。だから我慢しながらも上手に自分の意志でへこませてやる必要があるのです。
 歌が上手でもなんとなくいきづまっている方は、この原点にたち戻ってはいかがでしょうか?

2021年06月19日