息はどこに入るの?

腹式呼吸と言うくらいだから、息はお腹に入ると思っている人がほとんどです。
しかし、息はお腹にには入りません。息は肺にしか入らないのです。
 腹式呼吸を理解するためには、横隔膜のことを考える必要があります。普通、横隔膜(昔の五右衛門風呂ではそのまま浸かると足が火傷をしますので、木のふたに足を乗せて徐々に沈んでいきました。その木のふたをイメージしてください)は肋骨の下にへばりついているものですが、腹式呼吸で息を吸うと横隔膜が下に下がります。逆を言うと、胸式呼吸では横隔膜が下がらず、肋骨の下にへばりついたままなのです。その結果どうなるかと言うと、肺の膨らみが肋骨の中だけにとどまってしまいます。つまり息を取り込む量が限られてしまいます。
 一方、腹式呼吸で横隔膜を下に下げてやると、肺は肋骨を通り抜けて下の方まで膨らみます。結果たくさんの息の量を確保することができるのです。
 そういうわけで、歌を歌う際には、胸式呼吸よりも腹式呼吸の方がふさわしいのです。

2021年06月21日