息継ぎと感情の変化

「息継ぎと感情の変化」
できるなら長いフレーズを一息で歌いきりたいところでですが、そうもいかないことが多いです。そういう時はカンニングブレスをしましょう。今回はそれとは別に、大きな感情の変化をさせる時にいかにブレスが重要であるかを説明したいと思います。
 「呼吸と発想は一致する」と昔習いましたが、大きな感情の変化が必要な時に、呼吸が浅いと表現も中途半端になってしまいます。
いかに素早くたくさん息を取りいれるかというコツを前回お伝えしましたが、このような場面でも必要になってきます。やはり、呼吸と表現は切っても切り離せない関係なのです。
 例えば、呼吸を伴わないで辛い気持ちから明るく前向きな気持ちに変化させるのはとても難しいです。しかしその変化の際に呼吸が上手くいくと、気持ちも劇的に変化するのです。感情の劇的な変化を呼吸に助けてもらえるようになると素晴らしいですね。
 そのためには、普段の練習の時からここぞと言う息継ぎの場所を決めておいてください。そしてその箇所に来たら、一気に次のフレーズの景色なり時間なり人間関係なり歴史的背景なりを発想するっていう練習をしてみてください。
 みなさん「気持ち」や「表現」のことばかり気にしていて呼吸を忘れがちです。しかし「呼吸」が一番大事なのです。初めのうちは「気持ち」や「表現」は横に置いておいて、ここで必ず大きな息継ぎをするぞって思いながら歌うので充分です。この呼吸が上手くいけば「気持ち」や「表現」も勝手についてくるものだと割り切っても良いのかもしれませんね。

2021年06月26日